Steam版OMORI4種の全エンドクリア済み
雰囲気や世界観を楽しみたいという人であればとてもおすすめできる
だがこのゲームはストーリーが大絶賛されている作品である
自分はストーリーを追い求めてプレイした結果、とても裏切られたような感覚になった
先に言っておくと、低評価だしおすすめはしないけどクソゲーではない
特に理由はないが、自分は今までSteamのストアにレビューを書いた事がない
素晴らしすぎて一生記憶に残り続ける自信があるOuterwildsですら高評価のレビューは書かなかった
逆に合わなかったりつまらなくて積んでしまったゲームもたくさんあって、中には明らかなクソゲーもあったけど低評価レビューはしていない
Steamに限らずアマゾンとかの全ての公式サイトにレビューをするっていう行為自体したことなかった
だがこのOMORIというゲームは自分に初めて低評価レビューをさせた
それだけのパワーがあるゲームであることは間違いない
高評価レビューのいくつかは、高評価だけどおすすめしないみたいな風に書かれていて、それは内容がショッキングで死にたくなるからとか、感情移入しすぎて大変な事になるからみたいに書かれていたが、自分はそういう類ではない
良いところ
・めちゃくちゃ丁寧に作られている
・キャラの魅力は物凄くあり、それ故に主人公グループの他愛のない会話はストーリー関係なくても楽しめた
・日本語のローカライズは完璧といっていい
・絵柄が可愛く世界観は良い
・BGMは結構好き
・中盤~終盤までのストーリーはとても引き込まれた
・戦闘やイベントなどのボリュームはかなりある(ほぼストーリーと関係ないので良くも悪くもある)
悪いところ
・ストーリーに関係ないパートが必要以上に長すぎる(面白くない上にあまりにも長い)
・終盤で明かされるストーリーの核となる事案について、不自然な点があり共感できない
・かなりの数の伏線が回収されてない
悪いところの3点について、以下ネタバレあり
(下へスクロール)
・ストーリーに関係ないパートが必要以上に長すぎる
これはいろんなレビューで言われている事なので多くは語らない
ストーリーに関係なくても面白ければ許せたりする
自分は龍が如く7をプレイしてた時、本筋とまったく関係ない会話や茶番ですら面白かった
でもOMORIはお世辞にもそれが面白いとは思えないことがほとんどだった
しかしまだ短ければ許せる
しょうもない演出やくっさい茶番であっても短ければ全然許せた
実際はちょっと長いな~程度では済まないので覚悟の準備をしておいて欲しい
人によるだろうけど自分の体感でいうと、面白かったパート2、つまらないパート8ぐらいの割合
配信をしていなかったら、1~2時間の時点で自分は辞めていただろう
とはいえ配信をしていても良いところがまったくなかったら流石に辞めていた
ストーリーや世界観、キャラの魅力にはだいぶ最初の方から惹かれていたため、勿体ないなぁと思いながら続ける事ができた
・終盤で明かされるストーリーの核となる事案について、不自然な点があり共感できない
これが低評価にした一番の理由
ストーリーを売りにしてるゲームで、かなり序盤からプレイヤーに関心を持たせておきながらずっと隠し続けてきた要素で、最後に明かされる物凄く重要な物語の核となる事案は整合性が保たれてないと物語として成立していないと思う
1.マリの死因について
いろいろ考察があるけどサニーとマリが発表会の事で喧嘩して、衝動的に突き飛ばしてしまってマリが階段から落ちて死んだ、つまり殺してしまったが殺意はなく事故である、とする
ずっと隠し続けてきたのに原因がちょっとした喧嘩からの事故なのはどうなのとは思うけど現実的ではあるしそこはまぁいい
2.事後処理について(これが一番納得できない)
これもいろいろ考察あるけど、バジルが現場を目撃していて、バジルは友達であるサニーを殺人犯にしないため、サニーを守るために首吊り自殺に見せかける事を提案、サニーが了承して実行した
バジルが提案したわけじゃないとか二人で実行したとかの詳細はどうでもいい
まず大前提にマリは皆から慕われていて、特にサニーからしたらマリは大好きな実の姉だったはず
彼らは中学生ぐらいの年なわけだから、救急車や大人を呼んだりっていう発想が第一に浮かぶだろう
ただ気が動転していて、パニックになっていたから冷静な判断ができないってのはわかる
現実逃避したくなって、自分は殺してない、これは事故で自分は悪くないと思うのは凄くわかる
そしてバジルは友達を守りたいって気持ちから、サニーを犯罪者にしないために嘘を付いたり隠蔽の手助けてをしたいというのもわからなくはない
だが首吊り自殺に見せかけるにはマリに対して相応の憎しみや恨みがないとできないと思う
一人で運ぶにしても二人で運ぶにしても、中学生が遺体を運ぶのは大変だろうし、大好きな家族の遺体を持ち上げてロープに首をかけるのは肉体的にも精神的にも計り知れないほどきついはず
物理的には可能であるから、サイコパスとか洗脳されたとか気が狂ってたとか、或いは嫌いだったり恨みがあったりとかの場合は理解できる
だが大好きな姉だったら絶対できないし、それをわかってる友達は絶対に提案しないだろう・・・普通は・・・
だからマリを首吊りに見せかけたというのがわかった時、これからそんな事をした理由がわかるんだな!と、とても興味が湧いていたし、続きが凄い気になった
マリが実は裏でめっちゃ悪い事してたとか、サニーを虐待してたんじゃないかとか、実はファンタジーでマリが悪魔とかそもそもマリなんていなかったとかか!?とか思ってた
ただそれ以降マリの死と偽装についての描写が一切なく、マリと皆の幸せな過去が描かれていった
とても混乱した
マリを首吊りに見せかけるだけの理由が明かされると思ったら、寧ろ絶対それができないだろうと思えるような事ばかり明かされていくからだ
それからというものの、サニーやバジルが最初からなんかすごい闇を抱えていてトラウマで~とかの重いテーマですら茶番にしか見えなくなった
事故とはいえ殺人の加害者であり、隠蔽もして、しかも隠蔽方法が大好きな親族の遺体を些末に扱うもので、それを数年にわたって黙秘していた事を考えると極悪人にしか見えないのになんか被害者面してるように見える
もちろん彼らの精神的には被害者なんだろう
事故で殺してしまって、判断を間違えてしまって、それをずっと引きずっている
だがあまりにも行動が突飛過ぎるし、悪意すら感じるものであるため、共感はとてもじゃないができない
適当に考えたけど自分が理解できる範疇の行動はこんな感じかな?
・救急車または大人を呼んで、自分たちは何も知らない第一発見者を装う
・マリが一人で転落死した瞬間を見たと口裏合わせて報告する
・マリと喧嘩して落とされそうになったから正当防衛で突き飛ばしたと嘘をつく
・マリが昔から悩んでいて、サニーに遺言伝えてから階段から飛び降り自殺をしたという嘘をつく
・怖くなってその場から二人で逃げて知らんぷりをする
まずわざとでないとはいえ階段付近で強く押そうとするのもやばいけど・・・
その後死んでしまったから首吊り提案からの了承して首吊りしようの流れはサイコパスでないとできない
やべぇやつがやべぇ事やってるだけになってしまっている
首吊りっていう見た目のインパクトを取り入れるために無理やり話考えました感が凄い
これのせいでエンディング到達まで無駄に長い茶番を見せられて、それでもストーリー自体は凄く気になってたからめっちゃ期待してたのに物凄い裏切られた、という感覚になった
3.検死について
これも考察いろいろあるんだろうけど、検死で首吊り偽装はバレるくね?って思った
時代のせいで精度が悪い説とか警察が無能とか地域によっては検死しないとか親は知ってるけど身内だから穏便に済ませたとかいろいろあるだろうけどそこの描写はなかったので引っかかる
父親が知ってそうなシーンがあったけど、あれが現実であったかサニーの妄想かどうかはわからない
全てを語れとは言わないが大事なところだと思うので語って欲しかった
4.エンディングで何も解決していない
これは難癖かもしれないが個人的に感じた事
だいぶ最初の段階からマリが死んでる事がわかるから、マリが死んだ理由がとても美しい理由とかでない限りバッドエンドにしかならなくない?と思ってた
トゥルー?グッド?エンドで全て打ち明けて受け入れて貰えたみたいな感じになってたけど、残忍な事実が明かされたところでなんでそんな事をしたんだ・・・?と困惑するだけだと思う
実際ヒロやケルやオーブリーはなんだかんだいい奴だから許してくれるとは思うけど、サニーは引っ越しちゃうしバジルは罪の意識が多少軽くなったとはいえ一人だけ残っちゃうし・・・
ならまだサニーが首吊り自殺をしてマリを感じながら意識が遠のいて夢世界に転生した方がすっきりしたかもしれない
個人的に苦しんでいる人にとって死は解放というのが凄くしっくりくるので、サニーが自分自身を許して解放される死へ向かった、でいいと思った!
・かなりの数の伏線が回収されてない
自分が勝手に伏線だと思ってるだけかもしれないけど、アレなんだったの?ってやつを思いつく限り列挙していく
・白いサギソウ
夢でもあなたを想うってのは夢世界の事を意味してるのかな?
あんなにいっぱい出てきて凄い意味ありげだったのになんか大した説明もなかった
・OMORIという名前
HIKIKOMORI、から取ってるらしいけど、ピアノにOMORIと書いてあったり夢世界ではサニーがOMORIになった理由がわからない
愛称でオモリと呼ばれていた・・・?
・バジルが一方的に謝っていた理由
首吊りを提案したとか手伝ってしまったからなのかもしれないけど、ずっと一方的に謝っていたのはなぜなのか
殺してしまったのはサニーだし、そのあと遺体をロープにかけるのもサニーがやっていたはず
・スイートハートや夢世界の住人
ほんとになんも関係なかったのか・・・?
あんなにクソ長かったのに・・・?
一部ではスイートハートがマリでスペース彼氏がヒロで付き合ってたとかって考察があるみたいだけど、ストーリー自体に関連ないの・・・?
・夢世界で現実世界の人っぽいキャラが奇妙な見た目をして出ていたけど、明らかにまだ会ってないであろうキャラっぽいやつが出ていた
まぁそれっぽいだけで違うと言われたらそれまでだが・・・
他にもいくつかあったけど忘れちゃった><
まぁ伏線というかこれなんだったんや・・・?がいっぱいあったという事ですね
まとめ
無駄に長い、首吊りの違和感、このどちらかが解消されていれば多分低評価レビューを書くことはなかったと思う
無駄に長いせいでハードルがとてもあがってしまった
短ければまぁこんなもんか、雰囲気は良かったな~で終わってた
クソ長かったとしてもストーリーが良ければうぉおおおってなってた
あの苦しい時間耐え凌いだ価値あったなと思える
丁寧に作られているからこそ、悪いところが目立ってしまったという感じ
次回作があるならそこを改善してくれたらやろうかなと思う
逆に改善されてないなら話が面白そうでもやらないだろう><
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